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2014/10/12

美しく木片が飛び散る。韓国伝統木像彫師のライブ彫り!




ソウルからバスにゆられて約3時間。

世界遺産の安東河回村へやって来ました。

村は、収穫を迎えた稲穂が黄金色に輝き

すっかり秋の風景になっています。

村へ来たのは、あるパフォーマンスの為。

韓国の村や集落の入口などには、

守護神の「チャンスン」と呼ばれる

韓国伝統の木像が立てられています。

そのチャンスンの彫師で第一人者の

キム ジョンフン氏が、ライブで木像を彫る

人気のパフォーマンスが行われます。

舞台は、村全景が見渡せる美しい断崖

プヨンデと河を望む絶好のロケーション。

ライブ前、舞台の横にある林の中で

海外メディアの取材を受けるキム氏を発見。

白髪に長い髭、まるで仙人のような風貌、

そして取材を受ける表情が実に穏やかです。

日も暮れ舞台に照明が入り、青と赤の生地で

包まれた丸太が中央に設置されました。

伝統音楽と共に、タイマツを手にした

民族衣装の金氏が登場、舞台が沸きます。

丸太の生地をまくると、片膝をつき

手を合わせ夜空に祈祷をささげます。

一度やさしく丸太に手をやると

斧を取り手にフッと息を吹きかけ

いよいよ緊張の一振りが放たれます。

ガツッと音がするとデヤッという掛け声で

共に次々と斧が入れられていきます。

木の奥行きのある音が響き、夜空に

木片が火花のように美しく飛び散ります。

木像の顔部分の大まかな彫刻が終ると、

続いて木槌とミノを手に取り

鬼の形相で一気に彫り込んで行きます。

この光景には、引き込まれてしまう。

顔が彫り上がると、下の方まで皮をはぎ

安全を祈願するメッセージを筆入れ。

完成した木像をキム氏が立ち上げると、

拍手喝采となりました。

キム氏は、幼少の頃から芸術が好きで

伝統文化に関心を持ちチャンスン制作を

始めたそうです。木を植え畑仕事をして

チャンスン制作に励みますが、周囲から

後ろ指をさされた事もあったそうです。

この伝統的な木像が失われる辛さを胸に、

チャレンジを続け今や重要文化財に指定。

パフォーマンスも素晴らしい物でしたが、

情熱にも心を彫られてしまいましたLI。