神聖な満月の夜は伝統の音色で

旧暦１月１５日の今日は１年ではじめての満月。

テボルム。今年の豊作や健康、幸せを祈願して

街もお祝いムード。イベントも開催しています。

夜、私たちはつまが招待を受けている

韓国伝統音楽のイベント会場へ向かいました。

この日は、様々な伝統楽器の名人達が集う

大きなイベント。会場にはすごい人の数。

ホールの中は広くとてもいい音響の空間です。

ニ部構成で、伝統舞踊やパンソリもある

たっぷりのプログラム。

幕が開くと背景には大きなお月さま。美しい。

その前で、次々と名人達が演奏して行きます。

管楽器のピリ、タンソ、テグムと呼ばれる

笛の音色は一つ一つ違うがどれも胸を打つ。

特に、タンソを吹く渋みのある名人の演奏には

鳥肌が立ってしまった。

最もしびれたのが弦楽器『コムンゴ』の演奏。

名人のなめらかな指遣いから生まれる

低い弦の音がピーンと会場に響く。うぅ染みる。。

西洋の楽器には出せない美しさが

韓国の伝統楽器にはあります。

どこか切なく胸を打つ音色が。

いい余韻を残したまま会場をあとに。

夜空を見上げるとおっ満月だ。

今年もみんな健康に過ごせますように。

美味しい参鶏湯は体にもやさしい

ソウル景福宮の駅からほど近く。

路地裏には風情のある韓屋が広がります。

そんな韓屋街に参鶏湯の超有名店があります。

今まで食した参鶏湯の中では一番。

並んでも食べたい数少ないお店です。

お店はどっしり伝統韓屋。この雰囲気いつ来てもいい。

16時頃なので行列もなく入り口の脇には

いつものように丸ごとの鶏がぐるぐるロースト中。

中庭を通る脇には、ずらっと並んだ石鍋。

グツグツ。グツグツ。これは楽しみ。

注文はいつも決まって参鶏湯と鶏の丸焼き。

鶏の丸焼き、これまた美味い。

まずは高麗人参の食前酒から。これでも体が暖まる。

グツグツ、参鶏湯が石鍋でやってきました。

丸ごとの鶏、高麗人参、松の実、ナツメ、ニンニク、

栗。。たっぷり漢方食材のエキスが詰まった

この白い濃厚スープに思わず吸い込まれます。

美味い！体の芯まで暖まる。汗が出る出る。

そういえば以前、風邪気味の時に食べたら直ったなぁ。

医食同源、韓国の食文化は奥が深い。食べる事で

体を内側から整える食生活が根付いているようです。

韓国では参鶏湯は夏のあつ〜いサムゲタンの日に

食べられるそうです。日本の丑の日のよう。

でも、個人的にはやっぱり寒い時期がいいなぁ。

アート息づく月の街

丘の上にあるソウル駱山（ナクサン）公園。

ドラマの撮影地としても使われる人気スポット。

その丘の急な斜面にびっしり古い家と

細い路地がくねくねと下まで広がります。

月の街 タルトンネ。

その素敵な名前に反し、生活環境の厳しい

低所得者層が多く暮らしているようです。

せめて名前だけでも。。

そんな希望が名前から伝わってきます。

公園から細い路地を下って行きます。

家の壁や階段にアートがいっぱい。

こんな所にもあんな所にも。

色々と探して歩くのも楽しい。

街がキャンバスとなってアートが

希望を与えているんですね。

タルトンネも開発のため、

少しずつ姿を消していると聞きます。

この取り組みに感銘を受けるとともに

いつまでも残って行ってほしいと切に願います。

風の絵師 いきいきと

韓国で原画を目にしたい絵師。

金弘道（キムホンド）。

ソウルの国立中央博物館にが所蔵してあり、

さっそく訪れてみます。

金弘道に魅力を感じたのは、ドラマ『風の絵師』。

パクシニャン演じる絵師の姿勢と

庶民の生活をいきいきと描く風俗画に

一気に引き込まれてしまいました。

ニ村（イチョン）にある国立中央博物館。

アジア各国の仏像や数多くの芸術品が

広大な施設の中で、

カテゴリーで分かり易く展示されています。 

ゆっくり比較しながら見学もでき心地よい空間。

博物館の２階に金弘道の原画があります。

日によって作品が変わり今日の一枚は

「舞童」。

30センチ角ほどの小さな絵です。

左隣には申潤福（シンユンボク）の画。

楽器を演じる数人の大人達の主役は

その音に合わせて生き生きと舞う子供。

力強い筆遣い、シンプルだけど

しっかり描写された細かい観察力。

おぉぉ楽器の音が聞こえてきそう。

眺めているだけで舞童が目の前で舞っているよう。

この場面に居合わせているようなライブ感。

とっ飛び出してきそう。。絵がいきてる。

金弘道。やはりすごい。

時間が経っても絵がいきいきとしてます。

これは他の作品も見てみたくなります。

日替わりだと何度も来ないとだめかぁ。。