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2014/10/31

名人が造る極みの生マッコリとは。無形文化財ソンミョンソプ氏を訪ねて




つまがソウルに来て虜になった


一本の生マッコリがあります。


量販店ではまずお目にかかれない

「ソンミョンソプ生マッコリ」。


伝統酒無形文化財の名人が造った

何ともありがたいマッコリです。

つまは、仕事関係でその存在を知り


ソウルの特産品店で手に入れました。


その味わいは、実にドライで濃厚、


甘味や酸味はなく真っすぐです。

他の物とは明らかに一線を画する。

そんな中、これも何かの縁でしょうか

仕事の関係で醸造所を訪ねる機会が。

向かったのは、全州から小1時間の


井邑(チャンウプ)にある泰仁醸造所。

陶器のカメがずらりと並び、

味のある釜の上にも陶器の蒸留器。

醸造所に併設された部屋の入口には、

無形文化財の家と記されたプレートが。

すると、風合いのある染物を着た

ソンミョンソプ氏が、笑顔で中に

招き入れてくださいました。

貫禄のある体格、白髪に色黒で

独特の雰囲気があります。

ソン氏は、井邑の生まれで

食品名人第48号、韓国の三大銘酒の

竹瀝膏で無形文化財6-3号に選定。

泰仁醸造所の三代目です。

先代の母におぶわれ、幼い頃から

お酒は身近な存在だったそうです。

部屋の奥の棚には、世界のお酒が

ずらり並び熱心に研究されている様子。

お酒を熱く語る姿には、愛を感じます。


では、名人が造る極みの生マッコリとは。

まず、お米から自分で作ります。

色黒も日焼けのせいかもしれません。

そして、マッコリの質に大きく影響する

ヌルク造りは伝統の製法にこだわります。

ヌルクとは米、そば粉などの穀物を練り

自然に麹菌(クモノスカビ)を繁殖させ

適温で熟成させた麹の事です。

日本では、麹を造るのに加熱しますが、

一切手を加えないのが特徴です。

さらに、市販の物は添加物で甘味や

酸味をけますが、もちろん無添加。

米、ヌルク、水のみマッコリが持つ

本来の甘味を引き出します。

早速、こだわりの生マッコリを試飲。

やはり、ソウルで飲んでいる物より

瑞々しく鮮明、ヨーグルトのよう。

乳酸菌が生きているのが感じられます。

続いてソン氏が塩を差し出すと

舌の下に挟んで飲んでみてください」。

試してみると、やさしい甘味を感じる。

これが極みの味わい感無量です

ソン氏は、小さい頃その風貌から

あだ名が「クマ」だったそうです。

今度会ったらクマと呼んでください、

と冗談で笑う表情はまるで少年のよう。

また、ぜひお目にかかりたいものです。

2014/10/23

コラーゲンで秋肌もちもち?ソウル上水の名店で絶品タッカンマリ




街路樹の銀杏は黄色に色づき

すっかり秋 めいてきたソウル。

過ごしやすい季節ですが、

季節の変わり目で肌も乾燥気味。

加えてこの所、韓国地方への出張が

続いた為、つまの肌も心配です。

ここでコラーゲンを摂取せねば。。

そこで向かったのが、

地下鉄6号線の上水(サンス)駅。

駅からすぐの細い路地に入ると、

テボッシクタン」と書かれた

味のある電灯看板が見えてきます。

上水では人気の鶏料理専門店で、

特にタッカルビが美味しいと評判。

鶏の質が良く、調理もシンプル

私達もお気に入りのお店です。

裸電球のような照明の店内は、

古いちゃぶ台のような机が並び

壁には韓国の古い新聞が張られ、

韓国演歌が流れるレトロな雰囲気。

今夜はコラーゲン摂取の為、

鶏一羽を使うタッカンマリを注文。

澄んだスープに鶏一羽が入った

大きなお鍋がグツグツと登場。

具はシンプルに、たっぷりネギと

輪切りのじゃがいも。

通常は一緒にお餅が入りますが、

煮る事でお餅の味が強くなる為、

私達は外してもらっています。

煮ている間に、醤油ダレとニラ、

タネギ(ペースト状の唐辛子)を

混ぜ合わせて付けダレを準備。

ここのタネギが本当に美味しい。

お店の方が、鶏にハサミを入れ

早速、いただきます。

鶏肉は瑞々しくジューシで、

タレに付けて食べると味わい深い

主役は、鶏の旨味が活きたスープ。

唇がほんのりベトつく上品な味わい。

つまもすっかりご機嫌で、

コラーゲンをたっぷり摂取している。

鶏肉を食べ終えると、

最後はやはりカルクッス(ウドン)。

手打ちの麺が、鶏スープを吸って

最高のシメを演出してくれます。

ごちそうさまでした。

お店の方「いつも美味しく食べてますね」

ここが本当に美味しいからですよ

お店を出ると、秋の夜風が心地よい。

ん? 気のせいかつまの肌がもちもちに

食で美容、韓国らしくていい文化です。

2014/10/12

美しく木片が飛び散る。韓国伝統木像彫師のライブ彫り!




ソウルからバスにゆられて約3時間。

世界遺産の安東河回村へやって来ました。

村は、収穫を迎えた稲穂が黄金色に輝き

すっかり秋の風景になっています。

村へ来たのは、あるパフォーマンスの為。

韓国の村や集落の入口などには、

守護神の「チャンスン」と呼ばれる

韓国伝統の木像が立てられています。

そのチャンスンの彫師で第一人者の

キム ジョンフン氏が、ライブで木像を彫る

人気のパフォーマンスが行われます。

舞台は、村全景が見渡せる美しい断崖

プヨンデと河を望む絶好のロケーション。

ライブ前、舞台の横にある林の中で

海外メディアの取材を受けるキム氏を発見。

白髪に長い髭、まるで仙人のような風貌、

そして取材を受ける表情が実に穏やかです。

日も暮れ舞台に照明が入り、青と赤の生地で

包まれた丸太が中央に設置されました。

伝統音楽と共に、タイマツを手にした

民族衣装の金氏が登場、舞台が沸きます。

丸太の生地をまくると、片膝をつき

手を合わせ夜空に祈祷をささげます。

一度やさしく丸太に手をやると

斧を取り手にフッと息を吹きかけ

いよいよ緊張の一振りが放たれます。

ガツッと音がするとデヤッという掛け声で

共に次々と斧が入れられていきます。

木の奥行きのある音が響き、夜空に

木片が火花のように美しく飛び散ります。

木像の顔部分の大まかな彫刻が終ると、

続いて木槌とミノを手に取り

鬼の形相で一気に彫り込んで行きます。

この光景には、引き込まれてしまう。

顔が彫り上がると、下の方まで皮をはぎ

安全を祈願するメッセージを筆入れ。

完成した木像をキム氏が立ち上げると、

拍手喝采となりました。

キム氏は、幼少の頃から芸術が好きで

伝統文化に関心を持ちチャンスン制作を

始めたそうです。木を植え畑仕事をして

チャンスン制作に励みますが、周囲から

後ろ指をさされた事もあったそうです。

この伝統的な木像が失われる辛さを胸に、

チャレンジを続け今や重要文化財に指定。

パフォーマンスも素晴らしい物でしたが、

情熱にも心を彫られてしまいましたLI。