Translate

2015/03/10

テボルム名人展 心にしみる人間国宝のパンソリ




旧暦1月15日にあたる3月5日は、

韓国の名節「テボルム」。

1月1日の旧正月から15日後、

一年で初めての満月の日に

今年の豊作や健康をお祈りする

伝統的な風習です。

この神聖な日を記念し、

韓国伝統音楽名人が集うのが

「テボルム名人展」です。

今回招待を受け、会場の

国立国楽院へ向かいました。

会場は多くの人達で賑わい、

韓服をまとった関係者や、

名人出迎えています。

座席はなんと最前列のVIP席。

本当に感謝です。

開演時間となり、幕が上がると

スクリーンに大きな満月が。

風情のある舞台で、次々に

名人の演奏が奏でられて行きます。

どの演奏も実に趣きがあり、

伝統音楽の奥ゆかしさを感じます。

そしてパンソリの演目となり

重要無形文化財に指定されている

チョンチャンスン氏が登場。

鮮やかなピンクのチマチョゴリ、

御歳80とは思えない貫禄のある姿。

コス(鼓手)の方も文化財と

豪華な二人が揃いました。

パンソリは、パン広場)とソリ

の造語で、歌い手と太鼓奏者の二人で

一つの物語を歌う韓国伝統芸能です。

今夜は現在残っている5つの物語から

最も高度な「沈清歌」が語られます。

チョン氏とコスの方の間に、

張りつめた緊張感があり、

シンプルで力強い太鼓のリズムと

力強い歌声が会場に響き渡ります。

人間国宝の表情や感情を表現する様は、

ぐっと胸に迫るものがあります。

親孝行の感動的な物語ですが、

言葉が分からなくても

情景が見えるようで心にしみる。

拍手喝采で幕が降りました。

時が経つのもあっという間の名人展。

今年は、名人のパンソリのように

力強く感情豊かに過ごして行きたい。